県立東郷湖羽合臨海公園が10月に開園30周年を迎えます。子どもたちの遊び場、ほっと一息つける憩いの場、そして各種スポーツ大会の会場として、町内外の来園者になじみの深い公園として親しまれています。今や、東郷池を中心として総合的に施策を推し進めようとする、町行政にとってなくてはならない公園であり、周辺住民の環境保全意識を高める重要な役割を持つ公園です。

東郷池と日本海自然の恩恵をフル活用
  東郷湖羽合臨海公園は昭和54年10月に開園しました。開園当初に整備されたのは、浅津地区を中心とした6.1haと藤津地区を中心とした4.2haでした。
  その後、公園は年次的に整備され、今では東郷池を取り囲んだ四地区と日本海に面した2地区の計6地区61.7haに、テニスコートや芝生広場を備えた「スポーツ&レクリエーションゾーン」、中国庭園燕趙園周辺の「観光ゾーン」、海水浴などが楽しめる「海浜ゾーン」などが設けられています。

環境保護とともに産声をあげた公園
 公園の整備計画が決定したのは昭和47年のこと。県は前年度末から整備に向け、補助金を受けようと国と交渉を進めていました。しかし、国の公園区域面積基準500haに対し、県の買収計画面積は約140haほど。公園整備は旧羽合・東郷町の強い願いでもあることから、県は橋津川と東郷池の水面面積約427haも公園面積として含めることを国に提案しました。
  しかし、当時の東郷池は生活排水による水質汚濁が問題視されており、国は東郷池が水質環境基準をクリアすることを条件として提示。このことから、県としては公園整備を進めるうえで、東郷池を含めた自然環境整備も念頭に置いて、同時に天神川流域下水道事業にも取り組みました。

啓発の使命に終わりはなく
  東郷池とその周辺の自然環境を良くする目的のもと誕生した公園。平成11年、この公園の水たまりで発見されたメダカを通して、「東郷湖メダカの会」という環境保全を推進する住民団体が生まれ、行政と住民が組織する「東郷池の水質浄化を進める会」の取り組みへと広がるなど、自然環境保護活動の「母体」とも言える存在となりました。
  8月29日と30日に、ハワイ夢広場で行われる30周年記念事業「鳥取東郷湖サマーフェス2009」のサブタイトルは「メダカ音楽祭」。公園を管理する(財)鳥取県観光事業団と(株)チュウブは、ふるさとの自然を大切にする住民などの活動をより広げるため、このイベントを記念事業で終わらせることなく、来年度以降も継続していく予定にしています。