「鶴がかえる日」は実行委員である出演者やスタッフに加え、ボランティアなど約80人が運営。そのうち30人が出演者で、それ以外の人はステージを裏で支えるスタッフやボランティアでした。
 各自、学校の授業が終わってから、または仕事帰りに限られた時間の中で打ち合わせや舞台設営を行い、本番でよりステージが輝くために汗を流してきました。
 平成17年、住民と行政の協働によるまちづくりを目指して設立された「まちづくり100人委員会」の中で、町民ミュージカルの実施が提案されました。
 「子どもから高齢者まで世代と地域をまたいだ交流を」という目的のもと、平成18年には実行委員会が設立。翌年には第一弾「黄金の梨」が上演されました。
 当時から町民ミュージカルにかかわってきた河村祐子副実行委員長(門田)は「町民ミュージカルの原点は、人と人との絆(きずな)づくり、そして人間づくりだと思っています。衣装を一つ作るのも大変な作業。メンバー同士、お互いの苦労を思いやることが成功の条件だと思っています」と、町民ミュージカルを運営するうえでの信念を語ってくださいました。 
→真剣な表情で照明をオペレートする上本亜紀子さん(倉吉市)。「脚本を読み、舞台監督と打ち合わせて照明のデザインを決定します。夜のシーンは青っぽい照明にするなど、事前にフィルターを仕込みます」。 舞台背景となる装置の位置や、移動するタイミングなどを大道具係と協議する舞台監督・谷口とも子さん(倉吉市、写真中央)。
「第1回では舞台監督助手を担当。舞台監督は演出、照明、美術と協議し、その思いを具体化する役割です」。↓
←左から受付係の音田茜さん(長江)、川上紗穂さん(長瀬中部)、藤田菜扇子さん(倉吉市)。倉吉未来中心、ハワイアロハホールの両会場で受付を担当。訪れる観客がスムーズに会場入りできるよう、本番前日にはしっかり打ちわせを行いました。
↑先生が町民ミュージカルのスタッフということで、多くの鳥取県立保育専門学院の学生が運営に協力。学生の一人、遠藤禎巳さん(倉吉市)は「スポットライトはタイミングが難しく緊張します」と感想を語ってくださいました。
 第1回「黄金の梨」に息子が出演。ミュージカル以外でも息子が関係者にお世話になっている姿を見て、わたし自身ミュージカルには思い入れはなかったものの、人と人との絆が深まるという点に感心し、実行委員長をお受けすることになりました。
 正直言って、当初は「お飾り」的で中身には口出ししない実行委員長になるつもりでした。しかし、ミュージカルに集まった人たちはもともと知り合いでも何でもない集団。価値観もそれぞれで、初心者もいればベテランもいます。指示にしても言い回しを変える必要があり、「調整役」に徹しているうちに舞台スタッフを手伝うなど、どっぷりミュージカルに浸かってしまいました。
 上演は80分間ですが、この短い時間のために本当に多くの人が関わっていることを観客の皆さんにわかっていただきたいです。
 「鶴がかえる日」は、劇団関係者や会場スタッフなど素人以外の人に大変お世話になった作品。第3回は原点に帰り、町民の皆さんを実行委員会に多く取り込んで運営していきたいと思います。そのためにも、次回に向けて早い時期からスタッフや出演者の募集をかけるなど、今まで以上に積極的に動いていきたいと思っています。
家族で町民ミュージカルに参加しました
←後列右から田中篤さん、直子さん、前列右から哲哉くん、千尋さん(長瀬中部)
「息子がミュージカルに出たいと言い出し、娘もつられて参加。練習の送迎をしていたところ、わたしも出演し、夫は大道具を担当することになりました」とお母さんの直子さん。
←左から上橋茉奈さん、律子さん、那央さん(国信)
お母さんの律子さんは「第1回に娘が出演しましたが、今回は人数が足りないということでわたしも出演しました。ひとつのものをみんなで作ることの楽しさを実感しました」と初出演の感想を語ってくださいました。
感動、感動。一生懸命な姿に思わず涙
←右から東恵子さん、水谷明日香さん(田後東部)
「音楽も踊りもとてもよかったです。一生懸命練習されたことが伝わってきて、思わず涙ぐんでしまいました」
←蔦原正己さん(久留西)
「素人であれ程の演技ができるなんて立派です。感心しました。ストーリーも町のことを題材にしており、とてもわかりやすかったです」
←坂本有理香さん(倉吉市)
「友人が出演しているので、見に来ました。友人がすごくきれいで輝いて見えました。次回、わたしも出演してみたくなりました」