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昨年3月号の本欄で、佐伯泰英氏の長編時代小説シリーズ「居眠り磐音江戸双紙」を紹介しました。文庫本でこの4月に22巻目が出版されたばかりですが、第1巻の発売からすでに約400万部が売れたという大ベストセラーで、当館でもよく貸し出されています。 今の大分県に相当する豊後関前藩の国家老の長男・坂崎磐音は藩内の政争に巻き込まれ、やむなく江戸に出て、深川六間堀の貧乏長屋で浪人暮らしを始めます。春風のようにのんびりとした性格ですが、剣はめっぽう強く、数々の悪事に敢然と立ち向かっていく姿が何とも魅力的です。そのような人柄が慕われて周囲の人たちとの交流の輪が広がり、温かい人情味にホロリとさせられる場面も多いようです。 また、第10巻前後からは鳥取藩の重臣の娘・織田桜子が登場して磐音に思いを寄せたり、同藩で生まれた剣術・雖井蛙流の使い手が磐音の命をつけ狙ったりします。鳥取にまつわる話の展開に物語が一層身近に感じられ、興味をそそられます。 人気の高い小説ということもあったのでしょう、今年の7月からNHKの木曜時代劇でドラマ化(計11回)されることが決まりました。主人公の磐音を演じるのは、数年前の大河ドラマ「新選組」での土方歳三役で好評を博した山本耕史さんです。どのような磐音になるのか、今から楽しみです。 そのほかの配役はまだ決まっていないようですが、磐音の周囲には何かと個性豊かな人物が数多く登場しますので、その顔ぶれも見ものです。 NHKのテレビドラマはもちろんですが、原作にも興味のある方は当館の本をご利用のうえ、ぜひお楽しみください。
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