◆ハンセン病とは?
 ハンセン病とは、らい菌により引き起こされる感染症の一つです。感染力は非常に弱く、発病は極めてまれであり、現在では、早期治療によって、後遺症を残すことなく治る病気となっています。
 ハンセン病は、かつて「癩病(らいびょう)」、または「癩(らい)」と呼ばれていました。
平成8年に「らい予防法」が廃止されたとき、癩(らい)という言葉にまとわりついている「不治の病」とか、「恐ろしい伝染病」といった悲惨なイメージをすべて解消するという意味から、「らい菌」を発見したノルウェーの医師アルマウェル・ハンセンの名前にちなみ、「ハンセン病」と改称されました。
 
◆偏見と差別と苦しみと
 平成8年に「らい予防法」が廃止されるまでは、ハンセン病の疑いがかけられた人は、療養所への隔離といった誤った政策がとられてきました。
 ハンセン病患者・元患者は、家族や地域社会との関係が絶たれるなど、極めて厳しい偏見や差別に苦しめられてきました。
 ハンセン病は、次のような理由で、偏見や差別を受けてきたと考えられます。
・病気が進行すると、顔や手足など目立つところに症状が現れることがあった。
・有効な治療薬がなかったころは、治らない病気と考えられていた。
・同一の家族内で発病することがあり、遺伝病と誤解されていた。
・「らい予防法」という法律により、患者を強制的に療養所へ収容・隔離したり、患者の出た家を消毒したことなどから、「強い感染力を持った恐ろしい病気」という誤ったイメージが社会に定着してしまった。
 また、ハンセン病についての誤った考えから、患者・元患者の方々の多くが、次のような生活を強いられてきました。
・家族と一緒に暮らすことができない。
・自由にふるさとに帰ることができない。
・実名を名乗ることができない。
・一生療養所から出て暮らすことができない。
・結婚しても子どもを持つことができない。
・死んでもふるさとの墓に埋葬してもらえない。 ハンセン病療養所での生活を強いられたことにより、自分らしく生きる権利さえも奪われてしまったのです。
 平成8年の「らい予防法」の廃止、その後の国家賠償などによって、ハンセン病患者や元患者に対する差別や偏見の解消、賠償についての取り組みが進められていますが、まだ十分ではありません。

◆わたしたちにできることは
 ハンセン病に限ったことではありませんが、間違った理解や偏見が、多くの人々にさまざまな苦しみを与えているのが現実です。
 正しい理解をし、すべての人に対して思いやりの気持ちを持つことが大切です。すべての人が共存でき、人としての尊厳が保たれながら生きることのできる社会にしなければなりません。

◆部落問題懇談会
 5月の部落問題懇談会では、ハンセン病をテーマとした講演会を開催します。多数ご参加ください。

日時 5月8日(火)19時〜
場所 町立文化会館
講演 「鳥取県のハンセン病」
講師 荒井玲子さん
(長島と鳥取を結ぶ会代表)

◆課の名称変更について
 四月から人権・同和教育課が、生涯学習・人権推進課に統合され、名称が変更になりました。
(課の場所は今までどおり東郷庁舎2階です。)