1月3日、ハワイアロハホールで平成十九年湯梨浜町成人式が開かれ、町内在住者および出身者二百五十名(男性百二十八人、女性百二十二人)が成人の仲間入りを果たしました。
 式典では、宮脇正道町長が「正しいことを勇気を持ってやり遂げ、大きな愛情を根に据えて欲しい」と式辞を述べました。
 恩師代表として東郷中学校時代の担任である中村満教諭は「皆さんはわたしの宝物であり、目標です。今成人になったからといって何も変わらないと思いますが、変化していない気はしても、変わっていかなければいけないと思って欲しい」と祝いの言葉を贈りました。

新成人の言葉
伊藤郁美さん
(方地)
 今日ここに成人式を迎え、私たちは成人としての第一歩を踏み出すわけですが、今のところただ二十歳の誕生日を迎えただけという人は少なくないと思います。大人になったといっても、自分や周りの環境がいきなり変わるものではありません。自覚がなくても、私たちの言動には、すべて責任が伴ってきます。好きなことだけやり、社会の一員としての責任を人に任せてしまうような生き方をする年頃ではありません。今日は、私にとっても皆さんにとっても、自分の生活態度を見直すいい機会になると思います。
 私はこの湯梨浜町を離れてもうすぐ二年になりますが、ふるさとで過ごした思い出は忘れることがありません。いずれはふるさとに帰り、湯梨浜町の役に立てたらいいと思います。
 私はまだ学生で、アルバイトをしていても自分の立場は低く、責任は軽いものですが、実際に社会人としてやっていくことができるのか、とても不安になることがあります。しかし、社会に出るまでの猶予があと二年あるので、これからは大学生活において課せられた課題はやりこなすという責任を持てるように努力したいです。そして、どのような社会でも、活躍できる人間になりたいです。
山田悠介さん
(田後北部)
 私は現在美容専門学校に通っています。そこで同じ専門分野を学ぶ仲間と出会いましたが、本当に必要なのは「技術」ではなく、技術を司る「心」ではないでしょうか。どんなに技術が優れていても、人の「心」はそう変わるものではありません。その人の生活や環境が表面に出てしまうものだと思います。私の場合、美容というほんの狭い分野ではありますが、何が社会で求められているか、前向きに探りながら「貢献できる『心』のある大人」になりたいと思います。
 さて、私たちも二十歳を迎え、立場は様々ですが、一人ひとりが自分の行動に責任を持ち、社会の一員として常に向上心を持って前進する覚悟であります。
 そして私たちを生み育ててくれた両親、いつも側にいてくれた家族、社会に出る心構えを教えていただいた恩師、楽しい時辛い時一緒にいてくれた大切な友達との出会いや別れがあり、多くの支えの中、様々な経験をしたからこそ今の私たちがこうしてこの場にあると思います。
 これから進む道は皆さん違うと思いますが、「社会に貢献できる『心』のある大人」になることを誓い、新成人代表のあいさつとさせていただきます。
加嶋朋子さん
(宇谷)
 私はまだ学生という身分ではありますが、下宿している今では、日々どのように過ごしてゆくかも自分次第です。私たちの中にも、自分の夢に向かって努力する人がいれば、日々の生活に追われながらただ何となく生きてしまっている人もいます。
 そんな日本での生活を抜け出して、昨年の夏私は「ピースボート」に乗って地球を一周することを決意しました。
 この船旅を通して様々な経験をしましたが、やはり考えることは日本での生活のことでした。
 明確な夢がない人、夢や目標がないことによって、努力することを怠っている人がいます。
 本当にこのままでいいのでしょうか。現状に満足し、ただ何となく過ごす毎日を送っていいのでしょうか。また、そのような社会人になって良いのでしょうか。
 「自分たちが社会を変えてゆく」なんて、そんな大きなことは言えないし、実際ピンときません。でも私たちが意識することによって、何かがかわるはずです。
 その可能性を信じて、未来を作る大人になりたいと思います。