冬はウイルスによる感染性胃腸炎が流行する季節です。全国的にも県内においても、今冬は例年になく流行が早く始まり、発生数も平成十二年度以降で最も多く、施設での集団発生も頻発しています。 冬の胃腸炎の主役! ノロウイルス 胃腸炎を起こすウイルスにはいろいろ種類がありますが、その中でも主な原因となっているのがノロウイルスです。このウイルスは、少ないウイルスでも感染するため、感染が拡がりやすく、下痢・おう吐などの症状が回復した後も長期間(二週間)ウイルスを排出することや何度でも感染する可能性があり、予防が重要となってきます。 症状としては、人の腸内(小腸)で大量に増殖するため、吐き気やおう吐を始め下痢・腹痛などの胃腸炎症状をおこします。また、発熱・頭痛や上気道炎など軽い風邪に似た症状を起こす人もあります。普通の場合、胃腸症状は一〜三日で治まり後遺症はありませんが、体力の弱い幼児や高齢者などの場合、下痢により脱水症をおこすと、致命的になる場合もあります。 ノロウイルスによる感染には、二つのパターンがあります。(図参照) (1)感染した人の便や吐物から、他の人へ感染して胃腸炎になる場合 (ノロウイルスを含んだ便・おう吐物によって汚染された物を介して起こる接触感染、またおう吐物や便が飛び散った場合、その粒子を介して起こる飛まつ感染) (2)汚染された水・貝類(特にカキ)などを生で食べた時に食中毒として胃腸炎になる場合があります。(経口感染) 感染を予防するためには! ○ノロウイルスを洗い流す 感染予防の基本は手洗いです。トイレの後、調理をする際、食事の前には石けんと流水でよく手を洗いましょう。 ○便やおう吐物に触らない おう吐物や汚れた衣類などを片付けるときは、ビニール手袋をして使い捨てのペーパータオル等を利用しましょう。 ○飛び散ったウイルスを吸わない マスクをしたり、窓を開けて空気を入れ換えたりしましょう。 ○ノロウイルスを消毒する 汚染されたトイレや床、ドアノブなどは、塩素系漂白剤を含ませた布で拭き取ります。衣類などは塩素系漂白剤または熱湯でつけ置き洗いしましょう。 ○自分がノロウイルスを広げない 症状は一〜三日で治まりますが、二〜三週間は便中にウイルスが含まれることがあるので手洗いはしっかりと行いましょう。 ○食中毒による感染を予防するためには、カキはできるだけ加熱して食べましょう ノロウイルスは八十五度以上で一分加熱すると死んでしまいます。また他の食品にウイルスを移さないよう、調理器具の洗浄と手洗いをキチンと行いましょう。 ノロウイルスは小児から大人まで流行がみられ、十二月から一月にかけてピークとなります。まだまだ注意が必要な時期です。手洗いなどを十分に行い感染予防に努めましょう。 |
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管理栄養士のワンポイント食事学 かむことの大切さ |
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