八月二十三・二十四日の二日間、第30回部落解放鳥取県研究集会が「差別の現実に深く学び、人権確立のために進んで実践しよう」をテーマに開かれ、倉吉市を主会場に約三千五百人が参加しました。 集会では、三十回という節目を迎え、これまでの取り組みを総括し、成果と課題を明らかにするとともに、今後の実践につながる提案が行われました。 また特別報告として、奥日野源流太鼓(日南町)のみなさんによる「和太鼓を通して見えてくるもの」が演じられ、迫力ある演奏と主宰である大柄さんの熱い思いが伝わってきました。 続いて片山鳥取県知事の記念講演「弱い立場・小さい存在」、福岡市の子育て支援研究所主宰・福永さんの一人芝居「学校」が行われました。 二日目は、分科会が行われ、町内から百人以上の参加がありました。参加者の感想を紹介します。 「人の世に熱あれ、人間に光あれ!」 会場の参加者に向かって、十名の若者たちが、心を込めて、水平社宣言を大声で訴えかける。胸の中に熱いものがこみあげてくるのを感じた。 二十四日、アロハホールでの特別部会に参加した。午前の二コマめに、劇団「あゆみ座」という倉吉市の若人たちの劇団が「明日を作る仲間」という劇を上演した。これは、三十年前、同和教育が始められた初期の倉吉市部落解放文化祭で当時の青年たちが上演されたものを、リバイバル作品として演じていた。 十数年前、八頭郡の青年団が、同和問題と向き合った劇を上演された。それは、仲間の悩みを自分たちの問題としてとらえ、ともに学習し、ともにこの問題を解決しようと、立ち上がったのだ。当時、彼らのすばらしいエネルギーに圧倒され、心を動かされた記憶がよみがえり、あのときの感動が重なってきた。 また、倉吉市人権絵本作成委員会が、幼児期の子どもたちに小さいころから人権の大切さや地域の素晴らしい伝統を伝えるために絵本を作ったという実践報告があった。ともに、同じ志を持った人たちの、小さな実践を積み重ねておられ、心をうたれた。同和問題を始めさまざまな人権問題を解決するための広がりを感じ、「人の世に熱ある」社会にするため、自分から一歩を踏み出す大人でありたい。 他の分科会場でも、貴重な報告や提言をもとに、活発な質疑・意見交流が行われ、部落問題を解決する取り組みの広がりを感じる研究集会となりました。 |
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