広報ゆりはま 12月号
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支援を通じて人とのつながりを感じた地域行事に参加して顔の見える関係づくりを戸羽 小林 ら、暖を取るための毛布の手配を役場に依頼しました。集会所への避難者は確か35人程度。初めての経験で国や県からの災害・交通情報の提供が遅れる中、我々はできることをやろうと皆で一つになって必死に対応しました。な時間で百人以上の区民から食料などの提供がありました。中には「みんなに行き届いたか」「もっと配ろうか」と心配してくれた人もいて、皆が一生懸命動いてくれた。そのときに、これが人と人とのつながり、助け合いなんだと実感しました。じの会」や「達人クラブ」(※地域活動を担う区民団体。草刈りや原池の清掃活動などを行っている)などを通じ、区民皆で協力して地域の活性化を図っています。呼び掛けてからわずか我々は普段から「おや戸羽 こういった活動の中で日頃からお互いにコミュニケーションを取っており、皆で何かをすることに特別な義務感は感じていません。この普段の活動の小さな積み重ねが、当時の被災者支援時の連携につながったのだと思います。都市部とは違い、隣近所に住んでいる人の顔が分かることが田舎の良いところだし強みだと思います。顔が分かれば、いざという時に助け合うことができる。そのためにも、普段から地域の人に声掛けをすることが大切なのかなと思います。それと今後の課題として、行政には迅速かつ正確な情報の発信をお願いしたいです。呼び掛ければ人は動いてくれる。でも情報が来なかったり、来ても不正確だったりすると第一支援を行う我々のような地元の人間は動くことができま小林 せん。これから行政と地域が一体となり、素早い対応が取れる体制を作っていきたいと考えています。くなるような工夫を自治会がしていく必要があると思います。例えば、防災研修と運動会や夏祭りなどの行事を一緒に開催するとか。そうすれば老若男女問わず参加でき、互いの顔や名前を覚えて話をすることができますよね。そこで初めて、戸羽さんも言うようにお互いを助けたいという共助の気持ちが生まれるのだと思います。あとはコロナ禍を理由に安易に地域活動をやめてしまわないこと。やめるのは簡単ですが、それによって人とのつながりも途絶えてしまいますし、何より活動を再開するには何倍ものエネルギーが必要になる。今の状況でもできること、できる方法を模索し継続していくために、住民同士で知恵を出し合っていきたいですね。地域活動に参加しやす3「我々はこれからもここで暮らしていく。だからこそ、次の世代の人にとっても住みやすい地域を作っていきたいんですよ」と語る戸羽さん(左)と小林さん(右)。これからだんだん寒くなる時季。人とのつながりという難しいテーマでしたが、心温まるお話をしていただきました。

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