初めての収穫作業大玉の実に笑顔こぼれる 「東郷二十世紀梨」困難乗り越えた初出荷 秋の味覚を代表する町特産二十世紀梨の収穫作業が8月ある果樹園では、今年初収穫を迎えた山田清生さん(宇谷)が、汗を流しながら実った梨を一つ一つ丁寧にもぎ取っていました。 7昨年11月に新規就農した山田さん。「元々は県外で働いていましたが、実家から届いた梨を職場の人に配ったところ『おいしい』と喜んでもらったことをきっかけに、梨農家になりたいと思いました」。 その後鳥取県に戻り、先輩農家の元で学びながら、昨年初めて自身の畑での梨栽培に挑戦しました。今年の生育状況について「大変なこともありましたが、いよいよ収穫ということでとてもわくわくしています。今年は梅雨明けから気温の高い日が続き、水不足による生育不良が心配されました。また、8月上旬の台風による強風で一部実が落ちてしまうなどの被害もありましたが、無事収穫を迎えることができ、ほっとしています。交配が早かったこともあり、糖度も玉太りもみずみずしさも間違い『なし』です」と満足の出来栄えに笑顔がこぼれていました。最後に「ぜひ、鳥取の秋の味覚を味わってください」と、鳥取の梨を待ち望む全国の消費者へメッセージを送られました。8月22日に「東郷二十世紀梨」の初出荷式がJA鳥取中央東郷梨選果場で開催。式には、関係機関の代表者ほか選果作業中の作業員たちが参加し、新型コロナウイルス感染症対策実施の下、盛大に祝われました。今年は過去1番の早さとなる3月に交配が行われましたが、交配後すぐの霜や強風、あられなどによる被害に加え、7月の豪雨、8月の台風による落果被害が多数発生し、生産者にとっては苦難の1年だったと聞きます。無事出荷を迎えたことについて、JA鳥取中央東郷果実部の寺地政明部長は「我々の自信作が、いよいよ全国に届けられるんだと感慨深く思います。今年は生産者にとって苦労の多い1年で、何かあるたびに暗い気持ちになりそうでした。しかし、梨栽培115年の歴史で積み上げてきた知識や技術を駆使し、最終的には大玉でおいしい梨に仕上がりました。非常に希少価値のある梨なので、皆さんにぜひ味わってもらいたいです」と声を弾ませました。JA鳥取中央によりますと、令和3年度は梨全体で9億4千万円の販売額を見込み、大阪や神戸といった関西市場を中心に、関東や中四国市場で販売を展開するとのことです。上々の出来栄えに表情を緩める山田さん。初めての梨栽培、苦労して実った喜びはひとしおです見送られながら関西市場に向けて出発するトラック19日から始まり、藤津地内に
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