広報ゆりはま 8月号
5/28

世界が平和を維持していくために湯梨浜文化大学全体学習「平和講演会」を開催します■日時 ■場所 ■講師 水を求めて川に飛び込み、力尽きて倒れた遺体が漂っていました。あの情景が強く脳裏に焼き付いています。夜になると、救護所の明かりを頼りに3、4人の子どもたちが集まってきました。どの子も泣きながら家族の名前を呼び、 次第に泣き疲れ、眠り込んでいきます。その寝顔は哀れでした。見ているだけで、どうすることもできませんでした。あの子たちは親に会えただろうかと、帰ってから戦友と話しました。今でも、あの夜の泣き声と寝顔が忘れられません」 「被爆地での救護活動に起因する原爆症で、海軍病院でも開業医でもどういう治療をしていいのか分からないまま、数人の同期生が亡くなりました。その知らせを受ける度に、いつ発病するか、次は自分の番じゃないかと気の休まる時はありませんでした。被爆した皆さんは、このような思いで暮らしているのではないかと思います」 「戦争に負けた時、海軍中将が私たち練習生一人一人の手を握り、肩をたたきながら『これからの日本は君たちが再建してくれ。頼むぞ』と言いました。私は涙が止まりませんでした。核のない平和な世界をつくることは、難しいことなのかもしれません。今ではドローンを使用し、離れた場所から爆弾を落とす兵器が開発されていると聞きます。しかし、核廃絶のため、その恐ろしさを次の世代に伝えていくことが私たちに課せられた責務だと思っています。二度とこのような過ちを繰り返さないよう、世界が平和な生活を送れるようになることを願っています」(終)睡眠不足に加え夏の暑さやひどい環境に疲弊しながら、川本さんは休むことなく救護を続けました。3日間の救護活動を終え、クタクタになりながらどうにか衛生学校に帰りましたが、これが終わりではありませんでした。そして、終戦を迎えた8月た言葉が、今も川本さんの心に残っているそうです。■演題広島原爆被爆体験か■問い合わせ 湯梨浜文化大学8月全体学習では、平和講演会を行います。新型コロナウイルス感染症予防のため、マスクを着用してご参加ください。 10時~11時15分ら思うこと (℡32ー1116)8月18日(水)ハワイアロハホール浦田昌則さん(園)中央公民館  5 インタビューに応じてくださった川本嘉幸さん(92歳・田畑二)。「76年も前のことですから、思い出しながらしゃべりますね」と最初は少し遠慮した様子でしたが、インタビューが始まると、複雑な感情と向き合うかのように時折遠くに視線をやりながら、ゆっくりとした口調で語られました。15日。当時の海軍中将が語っ

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る