広報ゆりはま 8月号
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湯梨浜今昔物語 「町民のつどい」に参加してしあわせづくりは学びと一歩の行動からいじょうていらん  そぼ    こいてうじ  6月27日に開催した「町民のつどい」では、県人権文化センター専任研究員の中尾和則さんに「インターネットと人権」をテーマに講演いただきました。その講演を聴かれた感想を、町人権教育研究推進員の新川裕二さんからいただきましたので紹介します。私たちの暮らしの中で、欠かせなくなったインターネット。その良さの反面、SNS上での誹ひう謗中傷・差別事象が後を絶ちません。特に印象に残ったのが「表現の自由と差別発言の境界線」の内容でした。表現の中に「人権尊重に強くつながる表現と、その対極の名誉毀きん損罪や侮辱罪に当たる人権侵害につながる表現」があります。ちょうど、その中間位置に表現の自由か差別発言か判別しにくいものがあります。一人一人が、日々人権意識を磨き判断していく必要があると感じました。差別等を生み出す背景として、ストレス・不安・集団心理の重なる中で、人権侵害をする意識が出てきます。町の目指す「住みやすく魅力と活気あふれる愛のまち」にしていくためには、そういう重なりのない地域にしていくことが大切です。身近な家庭や地域から人権尊重について学び、自分も周りのどんな立場の人も大切にしていく人権尊重の心を基盤とした地域にしていくことが、差別をなくすことにつながるのでしょう。町の花「トウテイラン」が、まもなく見頃を迎えます。オオバコ科クワガタソウ属の多年草で、日本固有種であるトウテイランは、葉や茎が白色の綿毛で覆われ、光が当たると緑白色に見えるのが特徴です。茎の先の穂すう状の花かょ序が、下から上へと徐々に開花するため、8月から9月上旬まで長く花を楽しむことができます。漢字で書くと「洞と庭藍」で、中国湖南省にある洞と庭湖の美しい水のような、青紫色の花を咲かせます。園芸用にも栽培されていますが、野生では本町の他に京都府の京丹後市と島根県の隠岐の島にのみ自生し、絶滅の危機に瀕しています。それぞれの自生地が離れているため、各個体群は遺伝的に異なっている可能性が高く、遺伝的多様性の観点からも非常に貴重です。昭和初期に現在の宇野島付近で初めて発見されました。当時は、宇野から橋津にかけて非常に多く群生していたといわれています。町内のトウテイラン自生地は、その後の周辺環境の変化により、次第に個体数が減っていったため、昭和52年に橋津に残っていた群落が町天然記念物に指定されました。さらに、平成8年には宇谷と小浜にも自生していることが明らかとなりました。近々これら町内の群落が、県天然記念物に指定される予定です。野生のトウテイラン群落は近年も減少傾向にあります。この貴重な植物を次代へ残していくために、周囲を除草して日当たりを良くするなど、自生環境の保全活動を継続的に行い、群落の維持・拡大へとつなげていくことが必要です。町文化財保護委員       戸羽 君男(宇谷)県下唯一のトウテイラン自生地宇谷地内のトウテイラン群落20  ~気づいてる? 相手の気持ち 自分の言葉~町教育委員会生涯学習・人権推進課(℡35-5369)  人権教育シリーズvol.110共に生きる―

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