第2編 歴史
第4章 近代・現代
第6節 観光
 2  観光地づくり

東郷遊船の開業
 松崎―倉吉間の鉄道が開業した明治37年当時、開業東郷湖に遊船「清風」が開業したことが知られる。別掲の広告によると、「清風」は船室2部屋のほか浴室の設備もある屋形船であった。「東郷八景の奇を探らんとし玉ふ紳士淑女は必ず東郷遊船を湖心に浮べて之を一眸〈ひとめ〉に眺望し玉ふべし…この浴室には東郷湖の中心より沸々〈ふつふつ〉として湧き出づる熱湯を思ひのままに汲み入れて船客の入浴に任せたり…」と宣伝している。船賃は船頭付きで1日1円50銭であった。経営者と思われる「花見村・竹縁軒主」の本名は明らかでない。
『鳥取新報』に載った「東郷遊船」の広告
文言により明治37年のものと推定される。
(松崎・立木惇三所蔵)


<前頁
次頁>