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平成26年度施政方針

印刷用ページを表示する掲載日:2017年2月1日更新 <外部リンク>

 

平成26年3月10日

 平成26年度当初予算案を提出するに当たり、新年度における町政遂行の方針を申し上げます。
 我が国は今、アベノミクスの効果もあり、経済、雇用等の面で改善がみられる一方、消費税の増税あるいはTPP参加がもたらす影響等の懸念材料、さらには、農業、エネルギー、少子化、社会保障、教育など、改革あるいは国を挙げて取り組むべき課題を多く抱えています。
 そのため、自治体においては、国の制度改正等への的確な対応を図るとともに、自らもそれらの課題を克服するための積極的な施策の展開が求められると考えており、平成26年度は、それらのことにも配慮しながら、湯梨浜の持つ課題への対応及び未来に向けた施策を着実に、案件によってはダイナミックに展開してまいりたいと考えています。
 平成26年度は、湯梨浜町誕生10周年という節目の年でもあります。この10年を振り返り、良きは伸ばし、足らざるは補いながら、さらなる湯梨浜町の発展に努めますので、議員各位並びに町民の皆さんのご理解とご協力をお願いいたします。
 
 以下、平成26年度当初予算の新規事業を織り交ぜながら、分野ごとに説明させていただきます。
 最初に、まちづくりにつきましては、町の魅力アップを図るための施策を総合的に展開する「天女のふる里づくり」を加速させます。これまで、ゆりりんを活用したPR戦略、町商工会などと連携したウォーキングマップの作成、ノルディック・ウオーク大会の開催などを実施してきましたが、新年度は、県外の他の自治体とも連携した天女サミットを開催するとともに、東郷湖周回コースへのトイレや休憩施設の設置、県による歩道設置などのハード事業が本格化します。東郷湖未来創造会議を通じ、町民の皆さんとも連携しながら、着実な前進を図ります。また、2021年のワールドマスターズゲームズに備え、外国へのグラウンド・ゴルフの情報発信の一助にするため、日本在住の国際交流員等を対象にしたグラウンド・ゴルフの国際交流大会を開催します。
 次に、住民の安全・安心の確保につきましては、災害に関する啓発活動の促進と安全の基盤づくりを進めます。まず防災面では、平成25年度に全面改定した町地域防災計画を踏まえながら、より細やかに、地域の実情と災害の種類に応じた啓発活動に取り組むとともに、地域防災力の強化を図るため、自主防災組織の活動に必要な資器材の購入費助成を行うことにしています。また、道路の整備等について、町道では、松崎田畑線第2期工事施工のための用地買収、利便性向上のための下政長南線の拡幅工事、筒地原線地すべり箇所の危険防止対策検討のためのボーリング調査などを行います。さらに、東郷池の浸水対策のための道路等の嵩上げ工事の調査・設計、藤津地区急傾斜地崩壊対策の実施設計への着手が県により進められる予定です。東郷池の浸水対策は大きな歩みを始めます。
 次に、産業の振興については、我が国経済の動向への的確な対応とわが町の特色を生かした産業の振興を図ります。このうち、農業については、農業の足腰を強くし、農村の有する多面的機能の維持等を図るため、農地中間管理機構の創設による農地の担い手への集約化、米の直接支払交付金等の段階的廃止など、4つの改革が行われます。改革の目的が達成されるよう、集落営農の促進など、従来からの取り組みを強化するとともに、新たに、意欲ある農家を支援するため、頑張る農家プラン支援事業により、高性能コンバイン購入にかかる経費の助成、あるいは、中山間における特産物等を育成するためのイチゴ栽培ハウスの高設設備導入にかかる経費の助成などを行います。
 また、水産業については、現在建設中の井戸海水を活用した陸上養殖施設について、技術を習得するための新規雇用を支援するほか、新たに取り組む東郷池のシジミの陸上種苗を支援します。
商工業については、消費税増税の影響緩和と町内商工業の振興を図るため、町商工会と連携し、プレミアム商品券であるゆりはま商品券5千万円を販売するほか、合併10周年事業の一環として、キング・カメハメハデーを実施し、ハワイアンムードを演出し、情報発信と観光PRを図ることとしています。
 次に、環境については、引き続き東郷池の浄化やごみの減量化に取り組むほか、地球資源の保護、あるいは原子力発電への依存度低減のため、町としても積極的に新エネルギーの創出を図ります。このうち、太陽光発電については、平成25年度中に、メガソーラー2施設を含む3施設が稼働し、2,480キロワット、約720世帯分の電力が供給されています。今後さらに2施設、3,530キロワット、約1,020世帯分の電力を供給できる施設が稼働予定であり、町内における太陽光発電は大きく前進します。そのうちいくつかは、町の意向を理解し、実現していただいた事業であり、この場をお借りしてお礼を申し上げます。また、新年度は、町内唯一の風力発電施設に安全運転をするための単独運転検出装置を設置しますが、施設の老朽化を踏まえ、次にどのような手を打つか検討を始めます。また、関係団体と検討を重ねている東郷地域の温泉熱を活用した発電施設について、早期実現を図りたいと考えています。そのほか、民間住宅の解体に伴うアスベスト飛散防止措置の支援を始めます。
 次に、住民の健康の維持・増進については、生活習慣病の予防対策に力を入れるほか、地域で生活しやすい環境づくりに努めます。平成25年度の国保の医療費は大幅に上昇しており、その要因として、心臓病、脳疾患、高血圧など生活習慣病の増加が挙げられます。健康増進事業を通じ町民への啓発活動を強化し各種健診の受診率向上に努めるほか、女性特有のがん検診については受けにくいという背景もあり、働く世代の女性支援のための健診として、子宮頚がん・乳がん検診について、それぞれ21歳、41歳の方を対象に無料検診を実施します。また、町民の健康維持のため、ノルディック・ウオークを普及することとし、これまで公認指導員20名を育成し、月1回の教室を開催するなどしてきました。それらの結果、東郷湖周をはじめ、いろんなところで、日常的に楽しまれる姿が見られるようになりましたが、今後は、この教室の開催等をNPO法人に委託し、ノルディック・ウオークを習慣として楽しまれる愛好者の増を目指します。また、町制10周年事業の一環として、冬季オリンピックの金メダリストを招き、健康講座を開催するほか、町内で開催されるノルディック・ウオークの全国大会でも参加者とともに歩いていただくようにしたいと考えています。敬老会あたりでも申し上げていることですが、湯梨浜町の平均寿命は、男性、女性とも県下の市町村で一二を争うトップクラスであり、あとは、健康寿命を上げることが課題です。健康寿命を上げるためには、運動、栄養、休息、社会活動等が必要とされていますが、ノルディック・ウオーク、グラウンド・ゴルフ何れも複数の項目を満たしており、有効な手立てだと思いますので、町民スポーツとして広めていきたいと思います。
 次に、福祉については、福祉事務所設置の趣旨をよく認識しながら、町民の皆さんに近いところで、町民目線での対応やワンストップサービスなど、良質なサービスが提供できるよう努めてまいります。
 新年度は、平成25年度から進めている支え愛活動をさらに5自治会増やすことにしているほか、新たに視覚障がい者福祉の向上を図るため、中部圏域共同での点字と朗読員の養成、重度心身障がい児等が生活支援介護を受けるための助成を行います。また、国の緊急雇用創出事業を活用し、民間の社会福祉施設や町社協の職員の3名の雇用と処遇改善経費を支援し、地域介護事業の推進と雇用の確保を図ります。さらに、消費税の増税による低所得者等の負担低減を図るため、国の臨時的な措置として、市町村民税非課税者に対し福祉給付金を支給します。対象の把握等困難な点もあるようですが、遺漏なく実施したいと考えています。
 次に、子育て支援につきましては、新たに始まる子ども子育て新制度への準備、湯梨浜コウノトリプランとでも申しましょうか、出会いから子供の誕生までの施策の点検を行い、より充実した支援を行うこととしました。また、東郷地域の新園建設工事も本格化します。
まず、子ども子育て新制度については、子ども・子育て支援事業計画を策定し、平成27年度から始まる子ども・子育て新制度への円滑な移行を図ります。  
 また、縁結び役を果たしていただく方の登録制度を設け、若者の出会いの機会を増やすほか、これまで初年度3回、2年目以降2回であった不妊治療の助成回数を無制限にするとともに、新たに人工授精や不育治療に要する費用の助成を行うことにしました。湯梨浜町の合計特殊出生率は、1.89と県下の市町村では一番高いのですが、少子化を克服するためにも、子供がほしい方の思いを実現することなどにより、この数値が2に近づくことを願っています。
 さらに、東郷保育所と花見保育所を統合する新こども園について、これまで既存建物の解体工事等を行ってきましたが、平成27年4月の開園に向け、いよいよ新園の建設工事が本格化します。また、この分野でも国の緊急雇用創出事業を活用し、町社協が運営する保育所職員1名の雇用を支援するほか、子育て世帯に対する国の臨時特例給付措置として、児童手当受給者に給付金を支給します。
 
 教育関係については、大きな課題が前進するとともに、今日的な課題に対し一歩踏み出す年にしたいと思います。一つは、これまで時間をかけて議論してきた中学校の統合について、新中学校建設のための用地買収、基本設計に着手します。また、暑さ対策のため、東郷小学校を皮切りに、エアコンの年次的整備に取り掛かるほか、老朽化した中学校のスクールバスを更新します。さらに、県立特別支援学校に通学する生徒で、通学バスや公共交通の利用が困難な児童等について、県の支援を受け、町が委託する業者による通学支援が行えるようになりました。これらのうち、新中学校の建設については、詳細な立地場所を決定した後、地権者の皆さんのご協力をお願いするとともに、目指すべき学校づくりについて、保護者の皆さんをはじめ、町民の参画をいただきながら、議論を深めていくこととしています。また、今話題の、あるいは今日的課題となっている土曜日授業、学力向上、いじめ防止対策等については、教育委員会において詰めていただいているところであり、近いうちにその内容が示されるものと思っています。
 社会教育の面では、新たな公民館体制がスタートしますが、地域活性化等の活動にも配慮しながら、各種事業の充実を図ることにしています。また、老人憩いの家を地元への移管するための改修工事を行うことにしています。
 史跡、文化財等については、橋津の藩倉の修繕等を行うほか、歴史講演会、文化財ガイドマップの作成、説明板の設置などを行うことにしています。
 図書館では、湯梨浜町制10年間の動きを取りまとめたパネルを作成します。
 最後に、そのほかの事柄として、平成26年度は、域内無料IP電話用呼制御装置や庁内基幹サーバーの更新に多額の費用を要します。実情を説明し、国に財源支援制度の創設を働き掛けたいと考えています。
 また、有利な財源を活用し、2021年ワールドマスターズゲームズでグラウンド・ゴルフを開催するため、ルールブックの多言語化、潮風の丘のユニバーサルデザイン化、外国へのグラウンド・ゴルフの普及、あるいは、町制10周年記念事業の一環として、地域に伝わる伝統芸能を継承するための歌や踊りのDVD化の支援なども行いたいと考えています。
 このようなことを実施しながら、湯梨浜町を足腰が強く、魅力に溢れ、多くの人が集う町にすべく努力してまいります。議会及び町民の皆さんのご理解、ご支援、ご参画をお願いし、所信表明とさせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。