いずれも鎌倉幕府の職名。執権は将軍(鎌倉殿)を補佐して政務を統括する職です。連署は執権を助けて政務を行う職で、幕府発給の文書に執権とともに署判を加えたことから連署といわれました。北条氏は両職を独占的に世襲することで鎌倉幕府の実権を掌握し、政務を執りました。なお、文永元(1264)年には、長時に代わって政村が執権となり、時宗が連署に任ぜられています。
この絵図は、京都の松尾大社の神官である東家に伝来しました。現在は個人の所蔵となっているため、ここでは東京大学史料編纂所が明治後期に作成した模写本を原本に準じるものとして使用しています。数点ある模写の中でも同所のものは特に精密で、虫食いや折り目の跡に至るまで忠実に再現されており、原本と寸分の相違もないとされています。大きさ縦127㎝、横98㎝程度です。