桂枝雀さんの落語

町 立 図 書 館 48─6012
中央公民館羽合分館図書室 35─5344
しおさいプラザとまり 34─3226

 「上方の爆笑王」と呼ばれた落語家の桂枝雀さんが亡くなって、もう七年になります。 CDやDVDも多数販売されていて、その面白い破天荒な話芸が好きだという熱烈なファンは今でも多いようです。
 ご本人の著作『桂枝雀のらくご案内』や上田文世著『笑わせて笑わせて桂枝雀』などによると、枝雀さんの父・前田武男さんは倉吉市の出身だそうです。
 昭和十四年、神戸市に生まれた枝雀さんは五歳の時、空襲を避けて家族ともども倉吉に疎開し、約一年間過ごしました。その間、長姉の背中に負われて「橋津村」まで行ったことがあるといいます。当地には親類でもあったのでしょう。
 そのような環境で育ったせいか、枝雀さんの落語にはこの地方特有の方言が時々混じります。「○○というような」の意味の方言「ちゃーな」「なんちゃーな」も、そのひとつです。
 図書館では枝雀さんの落語のCDを三枚所蔵していますが、そのなかに最も得意にしていた演目「代書」があり、それにも「ちゃーな」「なんちゃーな」が度々出てきます。
 この落語は、陽気な性格の留さんが、代書屋に行って自分の履歴書を書いてもらうという話ですが、生年月日や名前を聞かれて答える様子が、何とも面白おかしく演じられています。枝雀さんの代表的な作品といえるでしょう。
 また、客の留さんが「校門のそばに大きな桜の木がちょうど五本ありまして」と小学校の思い出を語る場面が出てきますが、それは、枝雀さんがしばらく通った倉吉の明倫小学校の風景をヒントに取り入れた話だといいます。
 ご興味のある人は、枝雀さんの落語のCDをご利用のうえ、その独特の話芸を存分にお楽しみください。

◆ 主な新着図書 ◆

◇阿部牧郎著『遥かなり真珠湾』◇辺見じゅん著『小説男たちの大和』◇よしもとばなな著『王国その3』◇西村京太郎著『韓国新幹線を追え』◇赤川次郎著『標的は花嫁衣裳』◇石田衣良著『愛がいない部屋』◇新井満著『自由訳般若心経』◇鈴木雅子著『子どもは和食で育てなさい』◇小泉武夫著『美味巡礼の旅』◇杵島直美著『つけもの漬けよっ』◇奥薗寿子著『フライパンで新和食』◇茶谷正洋著『折り紙建築世界遺産をつくろう』